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別れたあと、「この苦しさはいつまで続くんだろう」と考えてしまう夜って、ありますよね。答えがひとつではないとわかっていても、目安がほしくなるのは自然なことです。
この記事では、失恋から立ち直るまでの期間について、アンケート調査や心理学の研究、厚生労働省のメンタルヘルスの情報から分かることを紹介します。「何カ月で立ち直れる」と言い切ることはできませんが、数字の読み方と、長引きやすい条件、回復を助けるといわれることを知っておくと、今の自分の状態を少し落ち着いて眺められるかもしれません。
失恋から立ち直るまでの期間はどれくらい?
まずは、実際に失恋を経験した人たちが「どのくらいで立ち直ったか」を答えたアンケートと、別れの前後で気分の変化を追った研究の数字を見ていきます。どちらも「平均的な人」の話なので、自分に当てはまらなくても心配しすぎないでください。
アンケートでは「1〜3カ月」がいちばん多い
国内のアンケートでは、立ち直るまでの期間として「1〜3カ月」を挙げる人が最も多いという結果が目立ちます。デイリースポーツonlineが紹介した、マッチングアプリ大学(株式会社ネクストレベル)の調査は、失恋経験がある全国の18〜39歳の独身女性300人に、2024年5月にインターネットで聞いたものです。「失恋から立ち直るまでにかかった時間」は、「1カ月以上〜3カ月未満」が24.7%で最も多く、「1カ月未満」が16.0%、「3カ月以上〜6カ月未満」と「6カ月以上〜1年未満」がいずれも17.7%でした。全体の76.1%が1年以内に立ち直った一方で、「1年以上立ち直ることができなかった」という人も22.9%いたそうです。
出会い系サービスのハッピーメールが運営する「ハッピーライフ」が成人男女200人に聞いた調査でも、もっとも多かったのは「1ヶ月〜3ヶ月」で、次いで「4ヶ月〜6ヶ月」でした。「1ヶ月以内」と合わせると7割以上が半年程度で立ち直っていて、1年以上かかるという人も12%いたと書かれています。なお、この調査で失恋経験が「ある」と答えたのは200人中187人で、9割以上にのぼります。
小学館の女性誌サイト「Oggi.jp」が20〜30代の女性100人に聞いたアンケートでも、最多は「1ヶ月〜半年」でした。ただし回答には「1時間」「翌日には抜ける」から「4年」「5年」「10年以上」までが並んでいて、記事では、同棲していたり結婚を考えていたりした関係ほど、失ったときのダメージが大きくなるのではないかと書かれていました。
こうしたアンケートは、思い出してもらう形の調査で、対象者の年齢や性別も限られています。それでも、「数カ月で少し楽になった」という人が多い一方、1年以上かかる人も2割前後いる、という傾向は複数の調査で共通していました。今、半年たっても苦しいとしても、それは決して珍しいことではないと言えます。
研究では「3カ月以内」に気分が戻ったという報告
アンケートとは別に、別れの前後で気分がどう変わるかを追いかけた研究もあります。米国ワシントン大学の研究チームが2023年に学術誌『Emerging Adulthood』に発表した論文では、シアトル周辺に住む若者(調査開始時18〜23歳)に24カ月間、毎月アンケートに答えてもらい、その間に1回だけ失恋を経験した156人の抑うつ症状の変化を分析しました。その結果、失恋の時期には抑うつ症状が一時的に高まったものの、3カ月以内に失恋前の水準に戻っていたそうです。
論文によると、失恋を「悪い出来事」と受け止めた人では、失恋した月の抑うつ症状が前の月より平均57%高く、その翌月には45%下がっていました。一方、失恋を良い出来事、またはどちらでもない出来事と受け止めた人では、症状の上昇は見られなかったそうです。また、ふだんから「自分の生活をコントロールできている」という感覚が低い人は、どの時点でも抑うつ症状が高めでした。研究チームは、若者の失恋に対する「自然な経過」は3カ月以内の回復だと考えられる、としつつ、ほかの集団でも確かめる必要があると書いています。
もうひとつ、米国の心理学者デイヴィッド・スバーラさんらが2005年に発表した研究では、交際中から参加していた大学生58人(平均年齢18歳9カ月、交際期間は平均20カ月)が、別れたあとの28日間、ポケットベルで不定期に送られる合図に合わせて、そのときの気持ちを日記に記録しました。参加者が研究に入ったのは別れから平均11日後です。悲しみは期間中に大きく減り、28日目には交際が続いている人たちと差がなくなっていました。気分の揺れ幅も、別れてから40日ほどで交際中の人と同じくらいに落ち着いたそうです。
研究の数字は、「3カ月で必ず立ち直る」という意味ではありません。ただ、いちばん苦しいのは別れた直後で、気分の揺れは時間とともに小さくなっていく人が多い、という見通しは、今つらい人にとってひとつの支えになるかもしれません。
「立ち直った」の中身は気持ちごとに違う
「もう平気」と思えた日のあとで、ふとした瞬間に胸が痛むことがあります。研究を見ると、それは立ち直りに失敗したからではなく、気持ちの種類によって薄れていく速さが違うからだと考えられます。
気持ちによって減る速さがちがう
スバーラさんらの2005年の研究では、別れた後の気持ちを「好き(愛情)」「悲しみ」「怒り」「安堵」などに分けて追いかけています。論文の考察によると、「この別れから立ち直るのにどれくらいかかるか」という問いへの答えは、どの気持ちに注目するかによって変わるそうです。好きという気持ちは悲しみよりもゆっくり減り、悲しみは怒りよりもゆっくり減っていました。つまり、怒りがいちばん早く落ち着き、好きという気持ちがいちばん長く残りやすい、ということです。
減り方にも違いがありました。好きという気持ちはほぼ一定のペースでまっすぐ減っていったのに対し、悲しみと怒りは最初に大きく減って、その後はゆるやかになる曲線を描いていました。「安堵」については、最初に強くほっとして、その後その気持ちが薄れていく人と、最初はほっとしていなかったのに、だんだん安堵が増えていく人の2つのパターンがあったそうです。平均だけを見ると、こうした個人差が見えにくくなる、と研究者は注意しています。Forbes JAPANの記事も、別れのあとの喪失感は、精神科医エリザベス・キューブラー・ロスの「悲しみの5段階」(否認・怒り・取引・抑うつ・受容)に通じると紹介していました。気持ちは一方向にまっすぐ進むのではなく、行きつ戻りつしながら薄れていくものだと考えておくと、楽になる日と苦しい日が交互に来ても慌てずにすみます。
同じスバーラさんが2006年に発表した別の論文では、交際が終わったことをどれだけ受け入れられているかが、悲しみからの回復と関係していました。愛着の安定している人ほど悲しみから回復しやすく、その関係を「別れの受容」が仲立ちしていたそうです。反対に、相手への愛情や怒り、「見捨てられるのではないか」というとらわれが強いほど、研究期間中に悲しみから回復する確率は低くなっていました。
個人の感想ですが、研究で見られた「怒りは早く減る」という流れと重ねて読むと面白いところです。悲しみが軽くなっても、相手を好きだった気持ちだけがしばらく残る。それは回復の途中によくある姿なので、「まだ好きなんて、自分はおかしい」と責めなくても大丈夫です。
元恋人への愛着は年単位でゆっくり薄れる
Forbes JAPANは2025年4月、「失恋から立ち直るのに『平均8年』の衝撃」という記事で、米国の研究者ジア・Y・チョンさんとR・クリス・フレイリーさんの研究を紹介しました。専門誌『Social Psychological and Personality Science』に2025年3月に掲載されたこの研究は、300人以上を対象に、元恋人への愛着(困ったときに頼りたい、そばにいてほしいと思う気持ち)がどのくらいの時間で薄れるのかを調べたものです。
研究の要旨によると、平均的な人では、元恋人への愛着は別れたあと徐々に手放されていき、半分まで薄れるのに4.18年かかっていました。長い目で見ると、元恋人は「昔知っていた人」になっていくものの、その過程はとてもゆっくりだというのが研究者の結論です。Forbes JAPANの記事では、これを言い換えて、完全に吹っ切れるには平均約8年かかる可能性がある、と書いていました。要旨では、愛着の持ち方の傾向や、元恋人と連絡を取り続けているかどうかで、愛着の残り方が変わることも示されています。人によっては、名残りが完全には消えないこともあるそうです。
ここで気をつけたいのは、「8年」は日常生活に戻るまでの期間ではない、という点です。前の章で見たように、悲しみや抑うつ症状は数週間から数カ月で落ち着いていく人が多いと報告されています。チョンさんらの研究が測ったのは、元恋人を「頼りたい相手」として感じる気持ちがどこまで薄れたかでした。毎日を普通に過ごせるようになってからも、元恋人が心の中の特別な場所に少し残っている。それが年単位で薄れていく、というイメージに近いでしょう。
Forbes JAPANの記事は、時間がかかる理由として、恋愛が脳の報酬系に影響すること、別れが悲しみと同じような過程をたどること、長い交際で「私とあなた」が「私たち」になり、別れると自分が誰なのか分からなくなることを挙げていました。何年たっても思い出すことがあっても、それは立ち直れていない証拠ではなく、大切な関係だったことの名残りなのかもしれません。
立ち直りが長引きやすいのはどんなとき?
同じように失恋しても、早く楽になる人と時間がかかる人がいます。研究や調査からは、長引きやすい条件がいくつか見えてきました。今の自分に当てはまるものがないか、確かめてみてください。
元恋人と連絡を取り続ける、SNSを見に行く
スバーラさんらの2005年の研究では、元恋人と連絡を取ったかどうかを毎回記録してもらっていました。その結果、元恋人と連絡を取っていた人は、好きという気持ちと悲しみの減り方が遅くなっていたそうです。連絡を取ったときには、その時点の悲しみも強くなっていました。さらに、相手に見捨てられることへの不安が強い人ほど、元恋人と毎日のように連絡を取る傾向があったと報告されています。
前の章で紹介したチョンさんらの研究でも、元恋人との継続的な接触は、愛着が長く残る要因のひとつでした。Forbes JAPANの記事は、愛着スタイルと元恋人との接触の2つが、立ち直りにかかる時間に最も強く影響していると紹介しています。
国内の調査でも、似た声が集まっていました。マッチングアプリ大学の調査で、失恋から立ち直るうえで「逆効果だった」と思う行動を複数回答で聞いたところ、1位は「彼氏のSNSを見る」(35.0%)、2位が「過去の自分の行動を後悔・反省すること」(27.7%)、3位が「彼氏に連絡をし続ける」(20.7%)でした。回答者からは「SNSを見て、忘れたいのにまた思い出し最悪だった」(23歳)という声が紹介されています。ハッピーライフの記事でも、失恋後にしてはいけないこととして「元恋人の情報を集める」が挙げられていました。SNSを見たり、共通の友人に探りを入れたりして相手の今を知っても、関係が変わるわけではないので、できれば連絡先なども消して相手の存在を意識しないようにすることが勧められていました。
もちろん、仕事や共通の友人の関係で、連絡を完全に断てない人もいます。その場合でも、必要な用件だけにとどめる、SNSはミュートや非表示の機能を使って目に入る回数を減らす、といった形で「接触の量」を減らすことはできます。研究が示しているのは、ゼロか百かではなく、接触が多いほど気持ちが長引きやすいという傾向です。見に行きたくなった夜は、「今見ると長引くかもしれない」と一度だけ思い出してみてください。
後悔し続ける、相手を恨んで無理に忘れようとする
国内では、心理学者の加藤司さんが、大学生を対象に失恋への対処(コーピング)を調べています。2005年に『社会心理学研究』に掲載された論文では、まず大学生950人から失恋への対処を自由に書いてもらい、その内容をもとに455人に質問紙調査を行いました。対処のしかたは「未練」「拒絶(恨み)」「関係解消」「肯定的な捉え直し」「置き換え」「気晴らし」の6つに分かれ、未練や、拒絶・関係解消といった対処は、精神的な健康に悪い影響を与えていたそうです。
この研究を引用した、大阪大学大学院の浅野良輔さんらの2010年の論文(『パーソナリティ研究』)では、加藤さんの分類を3つにまとめて説明しています。別れを後悔する「未練型」、相手を憎んだり意図的に忘れようとしたりする「拒絶型」、失恋の肯定的な解釈や別の人への置き換え、気晴らしを含む「回避型」です。論文によると、未練型と拒絶型は失恋相手への執着を意味するため、失恋に伴うストレス反応を増やし、回復期間を長引かせることが示されているそうです。
浅野さんらは、過去1年以内に失恋を経験した大学生114人を調べ、未練型の対処をしている人ほど「別れはもう終わったこと」として受け入れる心理的離脱が進みにくく、拒絶型の対処は、人生を見通す力(首尾一貫感覚)を直接下げていたと報告しました。意外に感じるかもしれませんが、「あんな人のことは忘れてやる」と力ずくで頭から追い出そうとするのも、相手にとらわれている状態のひとつだということです。
マッチングアプリ大学の調査で「過去の自分の行動を後悔・反省すること」が逆効果の2位だったことも、この研究と重なります。回答者からは「悔やんでる時間は一番もったいない」(27歳)という声もありました。どうしても考えてしまう夜は、後悔を止めようとするより、書き出して紙の上に置いておくなど、考える時間を区切る工夫のほうが現実的かもしれません。
立ち直りを助けるといわれること
では、何をすれば楽になりやすいのでしょうか。研究と調査で繰り返し出てきたのは、誰かに話すこと、気晴らしをすること、そして別れを自分なりに意味づけ直すことでした。
誰かに話すことと、気晴らしの時間
マッチングアプリ大学の調査で、失恋から立ち直るために取った行動(複数回答)は、1位が「ひたすら泣く」(56.7%)、2位が「友達に話を聞いてもらう」(55.0%)、3位が「趣味や仕事に没頭する」(50.0%)でした。「最も効果があった行動」に絞ると、1位は「友達に話を聞いてもらう」(15.8%)、2位が「あたらしい恋人候補を探す」(15.4%)、3位が「趣味や仕事に没頭する」(13.4%)です。回答者からは「友達に話すことで自分の思いも整理できる」(29歳)という声が寄せられていました。
研究の側から見ても、気晴らしには意味があるようです。浅野さんらの論文は、失恋は親密な関係の修復が見込めない、いわばコントロールできない状況であり、そうした状況では回避的な方略が有効になる、という加藤さんの指摘を紹介しています。また、趣味や娯楽による気晴らしは、同じことを何度も考えてしまう「反芻」を抑えるという指摘がある、とも書かれていました。置き換えや気晴らしを通じて他の人と関わることは、特定の個人に限らない、いろいろな支えにつながるそうです。
ハッピーライフの記事でも、失恋後にしてはいけないこととして「泣くことを我慢する」が挙げられ、友達に気持ちを聞いてもらう、自分の好きなことだけをする、一人の時間を満喫する、といった過ごし方が紹介されていました。
ひとつ気をつけたいのは、睡眠です。厚生労働省の「こころの耳」は、疲れているのに眠れない状態が続くと回復する力が落ちてしまうとして、寝つきに30分以上かかる、途中で何度も目が覚める、といったサインに気づいたら生活習慣を見直すよう勧めています。具体例として、就床前4時間のカフェインを避ける、ぬるめのお湯での入浴や音楽でリラックスする、目覚めたら日光を取り入れる、趣味など自分のための時間を確保する、などが挙げられていました。泣いた夜こそ、温かいお風呂とカフェインのない飲み物で、体のほうから休ませてあげてください。
別れを「自分を取り戻すきっかけ」として捉え直す
失恋のあとに、つらさだけでなく成長や前向きな気持ちを感じる人も少なくありません。米国の心理学者ゲイリー・レワンドウスキさんとニコール・ビゾッコさんが2007年に『The Journal of Positive Psychology』に発表した研究では、最近恋人と別れた18〜32歳の155人を調べました。英国心理学会(BPS)のResearch Digestの紹介記事によると、回答者の58%が別れのあとに「元気が出た」「希望がわいた」といった前向きな気持ちを強く感じ、71%が「自分について多くを学んだ」といった成長を強く感じていました。一方、「トラウマになった」といった否定的な気持ちを強く感じた人は31%だったそうです。成長の感じ方は、どちらから別れを切り出したかとは関係がありませんでした。
カギになったのは、それまでの関係の質だったといいます。「相手を知ることで、自分がより良い人間になれた」と感じられることが少なかった関係が終わった場合ほど、別れたあとに前向きな気持ちや「自分の再発見」が起きやすかったそうです。「付き合っていた間はできなかった、好きだったことをまたやるようになった」という質問への同意で測られた感覚です。研究者は、悪い関係を続ける理由に別れのつらさを挙げるのではなく、この結果を関係を終える後押しに使うこともできる、と述べています。
国内の研究にも、近い考え方があります。浅野さんらの論文によると、失恋からの立ち直りは精神的な成熟を可能にすると指摘されていて、立ち直ることで社会的スキルが向上したり、自己への洞察を深めたり、人生の意味を見いだしたりするといった知見があるそうです。また、失恋の経験を肯定的に解釈している人ほど心理的・身体的なストレス反応が弱いという海外の報告も紹介されていました。
ワシントン大学の研究でも、失恋を「悪い出来事」と受け止めた人だけに抑うつ症状の上昇が見られました。もちろん、別れの直後に「良い経験だった」と思うのは難しいものです。それでも、少し落ち着いてきたら、「この関係で手放していたものは何だったか」「これから取り戻したいことは何か」をノートに書いてみると、別れの意味が少しずつ変わっていくかもしれません。
時間がたってもつらいときは
失恋の痛みは、多くの場合時間とともに和らいでいくものです。けれども、ふつうの落ち込みを超えて心の不調になっていることもあります。最後に、専門家に相談したほうがよいサインと、相談先をまとめておきます。
2週間以上続くなら、こころの不調のサインかも
厚生労働省の若者向けメンタルヘルスサイト「こころもメンテしよう」は、うつ病のページの冒頭で失恋に触れています。失恋したり、友達とケンカしたり、試験で失敗したりといったショックな出来事は誰にでもあり、つらく悲しい気持ちになっても、普通は数日もしたら少しずつ前向きな気持ちを取り戻せるもの。ところが何週間も、しかも一日中ずっとそのような状態が続いているとしたら、うつ病かもしれない、というのがこのページの説明でした。
同じページでは、次の9つのうち5つ以上(1か2を含む)が2週間以上続いていたら、専門家に相談することを勧めています。
- 悲しく憂うつな気分が一日中続く
- これまで好きだったことに興味がわかない、何をしても楽しくない
- 食欲が減る、あるいは増す
- 眠れない、あるいは寝すぎる
- イライラする、怒りっぽくなる
- 疲れやすく、何もやる気になれない
- 自分に価値がないように思える
- 集中力がなくなる、物事が決断できない
- 死にたい、消えてしまいたい、いなければよかったと思う
働く人向けの「こころの耳」でも、うつ病は、楽しみや喜びを感じない、何か良いことが起きても気分が晴れない、といった症状が2週間以上続き、それまでの社会生活が難しくなる状態だと説明されています。発症のきっかけになりやすい環境要因として、大切な人の死や離別、人間関係のトラブルなどが挙げられていました。うつ病は怠けや気の持ちようで何とかなるものではなく、日本人の約15人に1人が一生のうちにかかるありふれた病気だ、と「こころもメンテしよう」には書かれています。
気をつけたいのは、うつ病の症状が、はじめは心の不調ではなく体の不調や行動の問題として現れることがほとんどだという点です。「こころもメンテしよう」によると、体がだるい、生気がない、頭痛・めまい・吐き気といった体の症状として出てくることもあるそうです。また、朝の調子がいちばん悪く、午後から夕方にかけて良くなってくることもよくあるため、周りからはサボっているように見えてしまう場合もあると書かれていました。
失恋のあとに眠れない日や食欲がない日があるのは自然なことです。ただ、それが2週間以上、ほぼ一日中続いているなら、「失恋だから仕方ない」と一人で抱え込まず、精神科や心療内科、身近な相談窓口に話してみてください。
ひとりで抱えきれないときの相談先
厚生労働省の特設サイト「まもろうよ こころ」には、電話やSNSで話せる窓口がまとめられています。「#いのちSOS」(0120-061-338、フリーダイヤル)は、「死にたい」「消えたい」「生きることに疲れた」といった気持ちを専門の相談員が受け止める窓口で、毎日24時間対応と案内されていました。「よりそいホットライン」(0120-279-338、フリーダイヤル)も24時間対応で、050で始まるIP電話からは050-3655-0279にかけるよう書かれています。
「いのちの電話」(0120-783-556、フリーダイヤル)は毎日16時から21時まで、毎月10日は午前8時から翌日午前8時まで受け付けているそうです。IP電話からは03-6634-7830(通話料有料)、ナビダイヤルの0570-783-556もあると書かれていました。「こころの健康相談統一ダイヤル」(0570-064-556、ナビダイヤル)は、相談できる曜日や時間が都道府県によって異なり、通話料もかかります。050で始まるIP電話からはつながらないため、その場合は都道府県・政令指定都市の窓口(IP電話対応)の番号にかけるよう案内されていました。電話が苦手な人は、同じサイトでLINEやチャットで相談できる窓口も探せます。
働いている人なら、「こころの耳」の電話・SNS・メール相談も使えます。サイトには「5分でできる職場のストレスセルフチェック」もあるので、失恋のあと仕事に集中できない日が続いているときは、自分のストレスの状態を確かめる手がかりにしてみてください。窓口の番号や受付時間は変わることがあるため、利用する前に各サイトで最新の情報を確認しましょう。
「こんなことで相談していいのかな」と迷う人もいるかもしれません。けれども「まもろうよ こころ」は、悩みや不安を抱えて困っているときには気軽に相談できる場所がある、と呼びかけています。失恋の話を友達にしづらいときも、知らない誰かになら話せることがあります。
まとめ
失恋から立ち直るまでの期間は、国内のアンケートでは「1〜3カ月」が最も多く、7割前後の人が半年から1年以内に立ち直ったと答えていました。米国の研究でも、失恋に伴う抑うつ症状は3カ月以内に元の水準に戻ったという報告がありました。ただし、1年以上かかる人も2割前後いて、元恋人への愛着そのものは年単位でゆっくり薄れていくという研究もあります。
元恋人と連絡を取り続けたりSNSを見に行ったりすること、後悔し続けることや無理に忘れようとすることは、立ち直りを長引かせやすいとされています。誰かに話す、気晴らしをする、よく眠る、別れを自分を取り戻すきっかけとして捉え直す、といったことから試してみてください。そして、憂うつな気分や眠れない状態が2週間以上続くときは、一人で抱えずに専門家や相談窓口を頼りましょう。