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失恋すると、胸がぎゅっと締めつけられるように痛むことがあります。「心が痛い」という言い方はたとえのはずなのに、体のどこかが本当に痛んでいるように感じるのはなぜなのでしょうか。
ここでは、2003年から2014年にかけて学術誌に発表された6本の脳の研究をもとに、失恋や拒絶の痛みと体の痛みが脳の中でどこまで重なるのかを紹介します。あわせて、強いストレスをきっかけに本当に心臓の働きが落ちることがある「たこつぼ心筋症」と、つらさが続くときの相談先もまとめました。2026年10月時点の情報です。
失恋の痛みと体の痛みは脳で重なるのか
拒絶されたときの痛みと、けがをしたときの痛みは、脳の中で同じように処理されているのではないか。この問いに取り組んだ研究のうち、よく知られている2本を最初に見ていきます。
仲間外れの実験で見えた脳の反応
出発点としてよく挙げられるのが、2003年に科学誌Scienceに掲載された「Does rejection hurt? An fMRI study of social exclusion」です。カリフォルニア大学ロサンゼルス校のナオミ・アイゼンバーガーさんらが、社会的に排除されたときの脳の働きを機能的MRI(fMRI)で調べ、社会的な痛みの脳の基盤が体の痛みと似ているという仮説を検証しました。
実験では、参加者はMRIの装置の中で、画面上でボールをパスし合うバーチャルなゲームに参加します。最初は仲間に入れてもらえますが、やがてボールが回ってこなくなり、最終的には仲間外れにされる仕組みです。恋愛の別れそのものではありませんが、「自分だけが輪から外される」という拒絶の体験を、実験の中で再現したものといえます。
論文の要旨によると、仲間外れにされている間は、仲間に入っているときよりも前帯状皮質(ACC)の活動が高まり、その強さは本人が感じた苦痛の大きさと比例していました。前帯状皮質は、体の痛みの研究でも活動が報告されてきた領域です。体の痛みの研究結果と並行する反応が、仲間外れという社会的な出来事でも見られたことになります。
もうひとつ注目されたのが、右の腹側前頭前野(RVPFC)です。この領域は仲間外れの間に活動し、その強さは苦痛の大きさと逆の関係にありました。つまり、ここがよく働いている人ほど苦痛が小さかったということです。論文は、前帯状皮質の変化がこの関係を仲立ちしていたことから、右腹側前頭前野が前帯状皮質の活動を乱すことで、仲間外れの苦痛を調整していると考えられると述べています。
拒絶の痛みには、痛みそのものを生む仕組みと、それを和らげようとする仕組みの両方が関わっているかもしれない。この研究は、「心が痛い」という言葉を脳の働きから考える手がかりとして、その後の多くの研究に引用されていきました。
一方で、この種の実験には限界もあります。2011年のクロスさんらの論文は、ボールのパスから外すゲームや、拒絶をテーマにした絵を見せる方法、見知らぬ人から好かれていないという匿名のフィードバックを伝える方法などを例に挙げ、苦痛は生じるものの、それほど強い拒絶の感情を引き起こしていない可能性があると指摘しています。そこで次の研究では、実際の失恋という強い体験が使われました。
元恋人の写真で体の痛みの領域も反応
失恋そのものを扱ったのが、2011年に米国科学アカデミー紀要(PNAS)に掲載された「Social rejection shares somatosensory representations with physical pain」です。ミシガン大学のイーサン・クロスさんらは、望まない別れを最近経験した人に、元恋人の写真を見ながらフラれたときのことを思い出してもらい、その間の脳の活動をfMRIで測りました。
論文の方法の説明によると、参加者は40人(うち女性21人)です。全員が過去6か月以内に望まない別れを経験しており、別れから平均2.74か月でした。別れを思い出すと拒絶されたと感じるかを7段階で尋ね、中間点より高い人が選ばれています。課題は二つあり、ひとつは元恋人の顔写真を15秒見ながら別れのときの気持ちを思い出す試行と、元恋人と同じ性別の友人の写真を見ながら最近の楽しい出来事を思い出す試行を比べるものでした。もうひとつは左の前腕に熱い刺激と温かいだけの刺激を与え、痛みを5段階で評価してもらう課題です。
論文の要旨によると、それまでの研究では、拒絶の体験と体の痛みに共通するのは、痛みの「つらさ」のような感情的な側面を担う脳のネットワークで、痛みの感覚そのものを担う領域ではないと考えられていました。ところがこの研究では、拒絶を強く呼び起こした場合に、体の痛みの感覚的な側面を支える二次体性感覚野と背側後部島皮質も活動することが示されました。
研究チームは同じ参加者で、拒絶の条件と体の痛みの条件を比べ、両者がこれらの領域で重なることを確かめています。さらに、活動した場所を500本以上の既存の研究のデータベースと照らし合わせたところ、これらの領域の活動は体の痛みをよく言い当てるもので、陽性的中率は最大88%でした。
要旨は、この結果が拒絶は「痛い」という考えに新しい意味を与えると述べています。拒絶と体の痛みは、どちらもつらいという点で似ているだけでなく、体性感覚の表現まで共有しているという結論です。
Xでも、ショックで食事がのどを通らず、本当に物理的に胸が痛い、失恋したときのことを思い出すという投稿があります。失恋の痛みを「物理的」と表現したくなる感覚は、この研究が示した脳の反応と重なって見えます。
痛みと同じとは言い切れない理由
拒絶と体の痛みが脳で重なるという見方には、その後、より細かな分析から異なる結果も出てきました。似ている部分と違う部分の両方を知っておくと、自分の胸の痛みを落ち着いて受け止めやすくなります。
2014年の研究が示した別々のパターン
2014年に英科学誌Nature Communicationsに掲載された「Separate neural representations for physical pain and social rejection」は、タイトルのとおり「体の痛みと社会的拒絶は別々に表現されている」と結論づけた研究です。コロラド大学のチェウォン・ウーさんやトール・ウェイジャーさんらのチームによるもので、2011年の研究を率いたクロスさんも著者に加わっています。
要旨によると、参加者は60人で、熱い刺激と温かい刺激を受ける試行と、元恋人と友人の写真を見る試行を、別々に体験しています。研究チームは、脳の広い範囲の活動パターン全体を読み取る多変量パターン解析という方法で、痛みを見分ける判別器と、拒絶を見分ける判別器を作成。
これらの判別器は、学習に使っていない別の人のデータでも、痛みとその対照条件を92%、拒絶とその対照条件を80%の精度で見分けました。ところが、拒絶の判別器を痛みのデータに当てはめると偶然と同じ程度の成績にとどまり、その逆も同じ結果でした。痛みの判別器は拒絶を、拒絶の判別器は痛みを見分けられなかったということです。痛みのつらさを担うとされてきた背側前帯状皮質などの領域でも、痛みと拒絶の活動パターンには相関がなく、91人分の安静時のデータでは、それぞれ別の領域とつながっていることもわかりました。
論文の本文は、これまでの「重なり」は脳の大まかな場所での活動の一致にもとづいていて、その下にある表現が同じかどうかを判断できるほど細かくはなかったと説明しています。要旨の言葉では、拒絶は痛みの回路を流用しているのではなく、独自の感情の表現を持っているということです。
ただし、本文は共有された表現がまったくないわけではないとも述べています。痛みと拒絶で似たパターンを示す領域も見つかりましたが、それは痛みの中核的な処理系の外にありました。さらに、痛みと拒絶のあいだに機能的な関係がない、あるいは一方が他方に影響しないという意味ではないとも明記しています。失恋の胸の痛みは、体の痛みと「まったく同じもの」ではないものの、無関係とも言い切れない、というのが現時点の研究から読み取れる姿です。
鎮痛薬で心の痛みが和らいだ実験
痛みと拒絶のつながりを別の角度から調べたのが、2010年に学術誌Psychological Scienceに掲載された「Acetaminophen reduces social pain: behavioral and neural evidence」です。ケンタッキー大学のネイサン・デウォールさんらによる研究で、2003年の論文を書いたアイゼンバーガーさんも著者の一人です。
要旨は、体のけがによるものでも社会的な拒絶によるものでも、痛みは人生で避けられない一部だという一文から始まります。そのうえで、二種類の痛みは、痛みにともなう「いやな感じ」を記録する行動面と神経面の仕組みの一部を共有しているのかもしれない、という問いを立てています。
研究チームが注目したのは、解熱鎮痛薬のアセトアミノフェンです。要旨によると、アセトアミノフェンは体の末梢ではなく中枢の神経の仕組みを通じて痛みを抑える薬で、体の痛みと社会的な痛みの処理が重なっているなら、拒絶への反応も弱めるのではないかと考えられました。
二つの実験で、参加者はアセトアミノフェンか偽薬(プラセボ)を3週間、毎日服用しています。1つ目の実験では、アセトアミノフェンを飲んだ人のほうが、日々報告する社会的な痛みが小さくなりました。2つ目の実験ではfMRIで脳の活動を測り、アセトアミノフェンによって、社会的な拒絶に対する背側前帯状皮質と前部島皮質の反応が弱まることが示されています。どちらも、社会的な痛みによる苦痛や、体の痛みの感情的な側面と関連づけられてきた領域です。
要旨はこの結果を、社会的な痛みと体の痛みが大きく重なっていることを示すものとしてまとめています。2014年の研究とあわせて読むと、二つの痛みは脳の中で別々に表現されていながら、互いに影響し合う部分もあると考えるのが自然でしょう。
ただし、この研究は痛みの仕組みを調べるために行われたもので、失恋のつらさを薬で和らげることを勧めるものではありません。市販の解熱鎮痛薬は、決められた目的と用法・用量を守って使う薬です。気持ちの落ち込みが続いて生活に支障が出ている場合は、自己判断で薬に頼るのではなく、医師や薬剤師、後で紹介する相談窓口に相談してください。
フラれた後も相手を思ってしまう脳
胸の痛みと並んで失恋のつらさとしてよく語られるのが、相手のことが頭から離れない状態です。この章では、別れたあとの脳で何が起きているのかを調べた2本の研究を紹介します。
フラれても恋しい人の脳と報酬系
2010年に学術誌Journal of Neurophysiologyに掲載された「Reward, addiction, and emotion regulation systems associated with rejection in love」は、恋愛研究で知られる人類学者ヘレン・フィッシャーさんらによる研究です。論文の要旨は冒頭で、恋愛での拒絶は深い喪失感と否定的な感情を引き起こし、臨床的なうつ病につながることもあると述べています。
対象は、最近パートナーからフラれたものの、今も強く「恋をしている」と答えた女性10人と男性5人の計15人です。参加者は、自分をフった相手の写真と、よく知っている別の人の写真を交互に見て、その合間には注意をそらすための課題に取り組みました。相手の写真を見ている間の気持ちとしては、愛情や絶望、良い思い出と悪い思い出、そして「なぜこうなったのか」と考えることが挙げられています。
フった相手の写真に特有の反応が見られたのは、得ることと失うこと、強い欲求、感情の調整に関わる領域でした。具体的には、左右の腹側被蓋野(VTA)、腹側線条体、内側と外側の眼窩前頭皮質・前頭前野、帯状回です。
研究チームは、幸せな恋愛中の人のデータと比べ、腹側被蓋野の活動から、中脳辺縁系の報酬系は幸せな恋でも不幸な恋でも恋愛の情熱に関わっていると考えられると述べています。さらに、動機づけや得失、コカインへの渇望、依存、感情の調整に関わる前脳の領域も活動していたことから、経験や学習の影響を受ける高次の仕組みも、拒絶への反応に関わっている可能性があるとしています。
また要旨は、これまでお金を使った刺激で確かめられてきた報酬系の活動が、失恋という自然に生じる否定的な感情の状態でも見られた点を、この研究の結果として強調。
要旨は最後に、コカイン依存に関わる領域の活動が、恋愛で拒絶された人に見られる執着的な行動を説明する手がかりになるかもしれないと述べています。フラれたのに相手のSNSを何度も見てしまう、連絡したくなるといった行動は、意志が弱いからというより、報酬を求める脳の仕組みが強く働いている状態として説明できる、という見方です。ただし対象は15人と少なく、こうした行動の原因をこの研究だけで言い切ることはできません。
別れを悲しむ女性9人の脳の変化
もう1本は、2004年に米国の精神医学誌American Journal of Psychiatryに掲載された「Regional brain activity in women grieving a romantic relationship breakup」です。サウスカロライナ医科大学のアリフ・ナジブさんらが、恋愛関係の終わりを悲しんでいる女性の脳を調べました。
論文の要旨によると、大切な人との別れはよく悲嘆の反応を引き起こし、人によってはそれが大うつ病のエピソードに発展することもあります。それまで悲嘆そのものに関わる脳の領域は詳しく調べられていなかったため、研究チームは、別れたばかりの人の脳で、悲しみの画像研究で報告されてきた領域の活動が変わるかどうかを確かめようとしました。仮説として挙げられたのは、小脳、前部側頭皮質、島皮質、前帯状皮質、前頭前野の5つです。
対象は、過去4か月以内に恋愛関係が終わった右利きの女性9人です。2010年のフィッシャーさんらの研究と同じく、元恋人を思い浮かべるという自然な体験を実験に使っている点が共通しています。fMRIの装置の中で、元恋人についての悲しく繰り返し考えてしまう思い(悲嘆の状態)と、同じくらい長く知っている別の人についての中立的な思いを、交互に思い浮かべてもらう方法です。
悲嘆の状態では、小脳や脳幹の後ろ側、側頭頭頂部や後頭部など、脳の後方の領域で活動が高まりました。一方、活動の低下は前方と左側で目立ち、脳幹の前側、視床、線条体、側頭皮質、島皮質、背側と腹側の前帯状皮質・前頭前野などが含まれていました。活動が低下したほぼすべての領域で、過去2週間の悲嘆が強かったと答えた女性ほど、低下の幅が大きかったと報告されています。結論では、急性の悲嘆の間にこれら5つの領域で活動の変化が見られ、仮説と一致したとまとめられました。
研究チームは、正常な悲しみと悲嘆、うつ病の関係を理解するには、さらに画像研究が必要だと結論しています。Xでも、失恋して胸が痛く、あまり食べられないと体重の記録とともにつづる投稿があります。悲しみが心だけでなく食欲や体調にも出るのは珍しいことではありませんが、何週間も続く場合は、うつ病などの可能性も含めて専門家に相談することが大切です。
本当に胸が痛むときと相談先
失恋の胸の痛みの多くは脳の働きとして説明されますが、強いストレスをきっかけに心臓そのものに異常が起きる病気もあります。体の症状と心のつらさ、それぞれの相談先をまとめておきます。
失恋でも起こりうるたこつぼ心筋症
済生会の解説ページ「たこつぼ心筋症」によると、たこつぼ心筋症は、心筋梗塞のように突然胸が痛くなったり、息苦しくなったりする病気です。心臓の動きが一時的に悪くなり、その形がタコを獲るための「蛸壺」に似ていることから名付けられました。強いストレスや感情の動きがきっかけになることが多く、50歳以上の女性に多いとされます。
国立循環器病研究センターの医師が執筆した日本心臓財団の冊子「災害時における循環器病」は、この病気を日本の医師が見つけたと紹介しています。広島市民病院の佐藤光医師が1990年に初めて報告し、今では海外でも「takotsubo」と呼ばれているそうです。左心室の先端だけが動かなくなって風船のように膨らみ、根元は収縮している形が蛸壺に似ています。きっかけとなる精神的ストレスとして、愛する人の死や急病、がんの宣告、口論、激怒が挙げられている一方、約30%の人には特定のストレスがなく、詳しい原因はまだわかっていません。
症状は急性心筋梗塞によく似ていて、胸の圧迫感や痛み、動悸、呼吸困難などが突然起こります。冊子によると、発症直後の心電図も心筋梗塞に極めて似た変化を示すため、冠動脈が詰まっていないことをカテーテル検査で確かめる必要があり、診断にはこの検査が欠かせません。特定の治療法はなく、入院して安静にしながら経過を見るのが基本です。ほとんどの人は2〜3週間で正常な状態に戻りますが、極めてまれに心原性ショックや塞栓症、心破裂などで重篤になることがあり、再発は10%以下の頻度とされています。
海外の大規模な調査としては、2015年に医学誌NEJMに掲載された国際レジストリーの解析があります。26施設の1,750人のうち89.8%が女性で、平均年齢は66.8歳でした。きっかけは感情的なものが27.7%、身体的なものが36.0%で、28.5%ははっきりしたきっかけがありませんでした。入院中の重い合併症の割合は、急性冠症候群と同程度だったと報告されています。
失恋の胸の痛みが、そのままこの病気だというわけではありません。ただ、胸の痛みや息苦しさが急に強く出た、冷や汗や吐き気をともなう、といった場合は、気持ちの問題と決めつけずにすぐ医療機関を受診してください。済生会のページも、症状が出たらすぐに受診するよう呼びかけています。
つらさが続くときの相談窓口
体には異常がなくても、気持ちのつらさが続くときは一人で抱え込まないことが大切です。厚生労働省の「まもろうよ こころ」の電話相談のページでは、悩みを電話で相談できる窓口がまとめられています。
主な窓口は次の4つです。
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いのちSOS:0120-061-338(24時間365日)
- よりそいホットライン:0120-279-338(24時間)
- いのちの電話:0120-783-556(毎日16時〜21時、毎月10日は8時から翌日8時まで)
- こころの健康相談統一ダイヤル:0570-064-556(ナビダイヤルのため通話料がかかります)
受付時間や番号は変わることがあるため、電話をかける前に厚生労働省のページで最新の情報を見ておくと安心です。声に出して話すのがしんどいときは、文字で相談できる窓口もあります。厚生労働省のSNS相談のページでは、LINEなどのSNSやチャットで年齢や性別を問わず相談できる団体が紹介されています。たとえばNPO法人あなたのいばしょのチャット相談は24時間365日、誰でも無料・匿名で利用でき、NPO法人東京メンタルヘルス・スクエアの「こころのほっとチャット」は毎日7時から23時50分まで(受付は23時まで)です。NPO法人BONDプロジェクトは10代〜20代の女性向けのLINE相談を月・水・金・土・日曜日の14時から22時(受付は21時30分まで)に行っており、18歳までの子ども向けのチャット相談もあります。
ここまで紹介した研究では、失恋の痛みが脳の中で体の痛みと重なる部分があり、フラれた相手を思い続けてしまうことにも報酬系の働きが関わっていると考えられていました。Xにも、失恋した朝はしんどく、胸が痛いという投稿があります。朝起きたときに現実を思い出してつらくなるのは、多くの人が経験していることでしょう。
ナジブさんらの研究が触れていたように、別れの悲しみは人によってうつ病に発展することもあります。眠れない日や食べられない日が何週間も続く、仕事や学校に行けない、消えてしまいたいと感じる、といった状態なら、迷わず相談窓口や心療内科、精神科を頼ってください。つらさを言葉にして誰かに聞いてもらうだけでも、抱えている重さは少し変わります。
失恋で胸が痛む理由のまとめ
失恋で胸が痛む理由について、6本の脳の研究とたこつぼ心筋症の情報をもとに紹介しました。要点は次の4つです。
- 拒絶や失恋のときには、前帯状皮質や、体の痛みの感覚に関わる領域も活動するという研究がある
- 一方で、細かな分析では痛みと拒絶は別々のパターンとして表現されており、まったく同じものではない
- フラれた相手を思い続けてしまう状態には、報酬や依存に関わる脳の仕組みが関わっている可能性がある
- 急に強い胸の痛みや息苦しさが出たら、たこつぼ心筋症などの可能性もあるのですぐに受診し、気持ちのつらさが続くときは相談窓口を頼る
胸の痛みは、それだけ相手を大切に思っていた証でもあります。無理に忘れようとせず、体と心の両方をいたわりながら過ごしてください。